• 暮らすように旅したい

プロローグ〜1999年11月

オーストラリア。グレートバリアリーフへ向かう港
港から高速船で洋上に浮かぶ帆船へ

いつものダイビング仲間からのお誘いでグレートバリアリーフ(GBR)でダイブクルーズを楽しみました。
総勢8名が成田空港に集合しカンタス航空(QF-60便)で一路ケアンズへ、翌早朝にケアンズ空港到着、ホリディインホテルで朝食($9.5)を取りました。

大型帆船S.V. Atlantic Clipper号

S.V. Atlantic Clipper号のマスト
そびえるマスト
帆船 S.V. Atlantic Clipper号
S.V. Atlantic Clipper号
風を帆に受けて
風を帆に受けて

ダイビングサービスは“Down under DIVE”でダイビングスタイルはこのサービスが所有している大型帆船“アトランティッククリッパー(S.V. Atlantic Clipper)”でのダイブクルーズです。船に泊まってのダイビングは初めてだったし,ましてや帆船なんて乗ったことが無かったので非常に楽しみでした。全長140ft(43m)で、甲板にはスパ(なぜか誰も入らないので私ひとりで入っていました)、中にラウンジバーもあります。食事もボリュームあって、ディナーにはデザートもつきました。
私の部屋は2段ベッドが2つの4人部屋で男女同室でした(海外のダイビングクルーズでは普通なのでしょう)。
毎朝6時になるとスタッフが“Dive Time !!”と叫びながら各部屋をノックします。眠い目をこすりながら海水パンツをはいて甲板に出るとまだ薄暗く少し寒い感じです。朝の1本目はボートダイビングで、小さなボートでポイントまで移動して帆船に帰るドリフトの予定でしたが殆ど流れず泳いで帰って来ました。

GBRではクルーズのコースがいくつかあり、私達のクルーズ船はアウターリーフを航海しています。港に帰ることはほとんどなく、乗客や食料は船で運ばれてきます。ダイバーも自分のスケジュールで来る人帰る人がいますから、部屋のメンバーは日々入れ替わっていきます。でも老若男女、国籍も様々ですがダイバー同士すぐ仲良くなって同じ船の生活を楽しむようになります。ですから少数や一人で来た方がより楽しめるかもしれませんね。勿論トイレ・シャワーも男女同じですし、同じ部屋で着替えるので、却ってマナーが良くなるのかもしれません。
ちなみにシャワールームは部屋と部屋の間にあるので、ドアが二つあり、それぞれの部屋からシャワールームに入れます。間違って別の部屋に出てしまうなんて笑い話もありました。

珊瑚とカメとナポレオン

ナポレオンフィッシュ
ナポレオンフィッシュ
ウミガメ
カメ
ツバメウオ
ツバメウオ
コブシメ
コブシメ

GBRのダイビングスタイルは、ブリーフィングで詳細にポイントを教えてくれて、ダイビング中はガイドは付きません。今回のメンバーは皆経験豊富だったので何の心配も無く楽しめました。
クルーズ中のダイビングポイントは、ヘイスティングリーフ(Hastings Reef)、ノーマンリーフ(Norman Reef)、サクソンリーフ(Saxon Reef)の3ケ所でした。
ヘイスティングリーフはあまり強い印象が無いのですが、ノーマンリーフではエントリー直後にナポレオンが出迎えてくれて、皆で取り囲んで撮影&ウォッチングを楽しみました。他にもカメ、ツバメウオ等が出て来たので十分楽しめました。ノーマンリーフでのナイトダイビングでは巨大なコブシメがいました。
ブリーフィングでよく慣れたナポレオンがいて触らせてくれます。と言われましたが基本的に魚に触れることは止めた方が良いと思います。人が触ることで体を細菌などから守っている粘膜がはがれたり、傷付けることになってはかわいそうですから。

ゴマモンガラには気を付けよう

恐ろしい形相で突進してくるゴマモンガラ
恐ろしい形相で突進してくるゴマモンガラ

サクソンリーフでのこと。ブリーフィングでゴマモンガラに気を付けろと言われていたのですが、5m程先にゴマモンガラがいて、ゆっくり近付いて行ったらこちらに気付いた瞬間、物凄い勢いで一直線に向かって来ました。取りあえず一枚写真を撮ってからフィンで避けました。今回一番恐かった出来事でした。彼の性格はサメより凶暴かもしれません。でも彼のテリトリーに侵入した人間が悪いんですよね。

 

ナイトは危険がいっぱい?

サクソンリーフでのナイトダイビングでの失敗談。ナイトダイビングはライトの照らす範囲しか見えないし、落とし物をしても気付かないあるいは見つからない事が多いです。それだけに十分な準備とチェックをするべきですしバディとの打ち合わせも綿密に行っておくべきです。
今回のバディはインストラクターになるために来ていた日本人の女性の方と御一緒させていただいたのですが、フーッと息を吐いてスーッと潜行し5m程潜ったところで一呼吸、“アレッ!?渋いぞ!”。ゲージを見ると0を指しています。“やっちまった!まさか自分が!”と思いましたが後悔は後回しにしてどうするか瞬間的に考えなければなりません。“STOP!THINK!ACTION!”の暇はないのです。

上を見ると水面に小さな月が揺れています。下を見るとこちらの状況に全く気付かずバディが潜行していきます。機材を脱装して自分でバルブを開けているうちにバディを見失うだろうし、浮上して一人船に戻ればバディはパニクるほど心配するだろう。ということを瞬間的に考えて小さく消えゆくバディを追いかけてさらに潜行しました。

10m近くまで降りたところでバディの肩を叩き、背中のバルブを指差すと、さすがベテランダイバー、すぐに察してバルブを開けてもらいました。0になっていた残圧計が200近くまで戻った時はホッとしました。バディがベテランとわかっていたから落ち着いていられたのです。バディが近くにいさえすればオクトパスも借りれますしね。日頃、人にはバディチェックやバルブ確認等とエントリー前にしつこく言っているくせに恥ずかしい限りです。
後刻、バディに聞いた話ですが、バルブを回し始めたらどこまでも回るのでこの人はどうして生きているのだろうと怖くなってしまったとのことです。
このようなとき取るべき手段は、BCDを緩めてタンクを頭の上に持ち上げて自分でバルブを開けるか、浮上して浮力を確保した後、BCDを脱装してバルブを開ける等が考えられますが、カメラ(NIKONOS-V)とライトで両手が塞がっていたし、ナイトダイビングであったため漆黒の闇の中で器材を脱ぐことにちょっと抵抗を感じたのと、闇の中に消えてゆくバディを見失いたくなかったのでバディを追いかけました。

その後は、眠ってる魚や寝ぼけている魚、カメなどを見ながらバディと二人でナイトダイビングを堪能しました。

ケアンズにて

2泊3日のクルーズが終わって、ケアンズ市内のトレードウィンズマックロードというコンドミニアムで1泊しました。ジョージスというギリシャ料理のレストランで夕食を取った後、海辺やナイトマーケット等クリスマスに彩られた夜の街を散策しました。
翌朝も散歩がてら街まで歩いて、テラスで朝食を取りました。船での生活も楽しかったけど、街を歩いたり、なんでも無い一時もまた楽しく過後せました。
 次はどこに行こうかな。

日程:1999年11月20日(土)~11月24日(水)
水温:26~27 度
透明度:15~20 m
ダイブ数: 9本







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